【展覧会概要】
テキスタイルデザイナー須藤玲子と、須藤が率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の活動を紹介します。日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れ、また産業の持続可能性にも目を向けるなど、テキスタイルデザインの分野において、NUNOは世界の第一線を走り続けてきました。本展では、日本各地の職人、工場との協働作業や、素材の可能性を広げるその取り組みについて、普段は見ることのできない布づくりの舞台裏を豊富な資料やマルチメディア・インスタレーションで展観します。NUNOの活動を包括的に伝える展示内容に加え、当館の空間を活かした大型インスタレーションを展開し、見る人の楽しい気持ちや好奇心をくすぐる、テキスタイルのもつ多彩な可能性に注目します。
〈須藤玲子〉
1953年茨城県石岡市生まれ。1984年以来、テキスタイルデザイン・スタジオNUNOのデザインディレクターを務める。
日本の伝統的な染織技術と最先端の製造技術を融合し、絹・手漉き和紙のスリット・ヤーンや熱可塑性プラスチックといった異素材を組み合わせた独創的なテキスタイルを探究してきた。これまでに手掛けた布は3,000点に及ぶ。
2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業共同組合、株式会社アズほかのデザインアドバイスを手がける。毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID部門賞等受賞。2023年には、伝統に根ざしながら独創的な芸術を創造する芸術家を顕彰する「円空大賞」を受賞し、岐阜県美術館で大規模なインスタレーションを発表した。
国立新美術館、岐阜県美術館、茨城県近代美術館ほか国内の展示多数。また、その作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ビクトリア&アルバート博物館、東京国立近代美術館ほかに収蔵されている。