私の父は親族一の高学歴で、80間近にして今なお勉強を続ける真面目な人間だが、とにかく酒が好きな男だ。
友達と酒を呑む時は、翌日に記憶を失うほどの勢いで呑まないと、その人と限界まで楽しみきったという手応えが得られず、後々寂しい気持ちになる。
徐々に空が明るくなり朝を迎えようとしていた。
米軍横田基地のある街・福生の夜、旧赤線街は多国籍の酔っ払いたちで賑わっていた。