Column
サイトウ兄弟往復書簡
その2 本を読んでいて影響を受けること
(サイトウ弟)
往復書簡。あっという間に自分の番になってしまった。
往復書簡。あっという間に自分の番になってしまった。
眠れぬ夜に、彼女はやってくる。ふ、と夜の香りがして、(夜露と暗がりの苔むす匂い、冷たくてよそよそしい匂いだ)気づくと彼女は私の隣で眠っている。
GO ONの原稿を書いてみないかと弟に誘われた。
「わたしは口を持たずに生まれてきたの」空白に満ちた視界の真ん中で、シンとたたずんだまま、少女Aはそう言った。
本を読んでいて、その作家が紹介したり引用したりする他の本に出会うと、また読みたい本がたちまちに増えていって、すぐ、もしくは、その時を待ってから読んで、ああ、またこれも読んでみたいや―。
2年ほど前に、『鉄印帳でめぐる全国の魅力的な鉄道40』という書籍のマップを作る仕事をした。
2023年3月26日の朝、私は山の上ホテルの一室にいる。
何度も『Mozz』(以下モズとする)のことを書こう、書かなくてはと言っておきながら、なかなか書けないでいる。
昨年1年間の連載、そして1月号にも掲載していただいたが、2月号の連載には文章を寄せることはできなかった。