Feature
古書自由の文集づくり
気になることを見つけたら掘って掘って近づこうとするのだが、萩田さんのことは掘れば掘るほど、わからない。
気になることを見つけたら掘って掘って近づこうとするのだが、萩田さんのことは掘れば掘るほど、わからない。
午前5時33分。2度目のアラームが鳴った。「おはよう、オレンジ」7か月前までは、朝ご飯がほしくて枕元へやってきて私の顔をのぞき込んでいた猫に挨拶をして、ねむたい身体を一気に立ち上がらせた。
るるるるん。るの数を頭で数えながら声に出してみる。るは4つだ。るるるるんは、かとうひろみ、UNI、3月クララの3人による文芸ユニットである。
私は前かがみの体勢のまま上瞼をぐっと引き寄せてカオルの目を見た。カオルも私の目を見ていた。了解。まばたき。
夢の中の私は、まだ20年前の姿のままで、見覚えのある景色は、以前、夢で見ていたあの村の景色だった。
まばたきを終えると、目の前の青い塊の解像度が上がった。
しとしと雨が降っている。この街では雨は日常的で、降ったり止んだりしているから、傘を持ち歩く人は少ない。
「ヤギオ」私は背後からの突然の声に驚いて、すぐに後ろを振り返る。そこに立っていたのは、1人の女性だった。
また、夢をみた。私は北関東のとある地にたどり着いた。