【展覧会概要】
私たちは日頃、視覚から認識される色彩や形象から様々な光景を感受し、その経験の中で、幾多の感覚、感情を投影しながら色を記憶しています。では、芸術としての色彩には何が託されているのでしょう。作品は、作家の視覚をもとにした色彩だけを表しているわけではありません。時には、その心にうつろう色や、視覚を超えた色が求められ、作品として表されます。そして、そこに宿る色彩は、果てしない色の宇宙への、作家の彷徨と挑みでもあります。
本展は、足利市立美術館が所蔵する作品の中から、とりわけ色彩への強い意識をもって制作された、23名の作家による、絵画、立体、写真など110点あまりの作品で構成されます。それらの色彩は、美術家が作品に託した世界を感受させ、さらに、日常の中にはない、未知なる色彩を体感させる力を秘めています。こうして作品をめぐり歩くことを通して、色彩に対する私たちの新たな感覚が開かれるでしょう。
出品作家:靉嘔/阿部浩/飯田善國/岡田真宏/加納光於/菊地武彦/菊畑茂久馬/木下晋/小林のりお/桜井孝身/篠原道生/清水晃/勝呂忠/田中繁一/長重之/中西夏之/中根明貴子/難波田龍起/浜田涼/本田和博/安井敏也/若林奮/和田賢一