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「ちょっと冒険してみない?『ORGASM』的偏愛ロマンポルノ」
今年早々に発見した映画のzine『ORGASM』。全く知らない映画でもテキストを読むとグイグイと引き込まれ、まるで映画をみているような気になってしまう。デザインも好みで即『ORGASM』のファンになった。特に役者等の呼び名が秀逸で気に入っている。例えば……シンカネ、お志麻、ウノジュー、宮順などなど。こっそり真似したいと思わせるセンスにニヤリ。そのORGASM企画の日活ロマンポルノ特集がラピュタ阿佐ヶ谷にて8/3まで開催中。ワタクシは、絶対に行こうと決めていた風祭ゆきゲストの日を狙い『のぞき』『女教師狩り』の2本をみてきた。
北見敏之のエロさを知った『のぞき』
“パパの視線が熱いわ”
娘のデルタは かぐわしき乙女の恥じらい
衝撃!美味!下半身ピーピング
(日活のサイトより)
〈ポルノ界の百恵ちゃん〉と呼ばれた井上麻衣が主演。百恵ちゃんぽいというか松田聖子ぽい感じ。ストーリーはホームエロドラマ。クスクス笑いながら鑑賞。舞台は狭山、もちろん狭山茶。パパ、ママ、女子大生、愛人バンク、シバオケ(芝居のカラオケ)、自然食、タンポポコーヒー……。
基本ノーブラ井上麻衣はまさかのタクシー生着替えだし、おっぱい揺らして茶畑ランニング。そんな娘に対してママの中島葵は着物を着て肌見せは少なめ。と思いきや、若いツバメとラブホでチョメチョメ。ちょっと手塚里美に似ている気がした。パパは鶴田忍。名前ではピンと来なかったけど、なんかみたことあるかも〜な人。娘ぐらいの女とラブホでチョメチョメ。そしていきなりやってきた親戚夫婦は北見敏之と泉じゅん。
ナンデスカコノエロイヒゲノヒト……。
ワタクシは一瞬にしてクソエロいヒゲの北見敏之にヤラレました。「妻との営みはトイチ。10日に1回」とのこと。どうでもいいわ!ワタクシ鑑賞後の待合室で北見敏之をdig。この人かー!と思ってみていたら〈北見敏之 優香〉のワードを発見。気になって、ぺっと押したら映画『羊の木』で優香とキスシーンの画像がっ。エロい。70代になってもエロいのすごい。今回の特集では『朝はダメよ』『軽井沢夫人』にも出ていたそうで、北見敏之ファンになったワタクシは、次回こそはエロい北見敏之を完全制覇と胸に誓ったのである。
続いて、三谷昇の登場にニヤリ。一瞬だったけど三谷昇が登場する作品は裏切らない。よね?
2階をのぞく時はハシゴでGO。予想してたけど井上麻衣と泉じゅん、井上麻衣と北見敏之の絡みアリ。パパ鶴田忍が屋根から転げ落ちるコントはナシ(ちょっと期待したけど)。
パパ、ママ、娘、謎の親戚夫婦、パパの愛人、ママの若いツバメ、みんな揃ってそうめんズルズル。風情があるねぇ……。だがしかし、パパ鶴田忍とママ中島葵がそうめんを投げ合い夫婦喧嘩勃発。夏だねぇ!
待合室の『のぞき』展示コーナーにあったそうめんの意味がわかってニヤリ。あー、そうめん食べたいっ!
性欲&怒りMAX男子には敵わない『女教師狩り』
“レイプ・クイーン”風祭ゆきが受難の女教師を熱演!
(日活のサイトより)
冒頭、夜のプールシーンで映画『台風クラブ』を思い出した。放送室でのレイプシーンは、オマエ高校生かよ!とツッコミたくなるぐらいエロ全開。徐々にシミが広がる放送部女子(伊藤京子)のおパンティはモチロン白。性欲&怒りMAX男子(井上肇)はなかなかの肉体美。でも野球部顔なのでワタクシの好みではありません。ワタクシがみたいのは風祭ゆき先生じゃ!
そんな風祭ゆき先生は絶賛不倫中。相手の男はギラギラギトギトしたオス(錆堂連)。ドコガイイノカシラ……アソコダケデショ。絡みのシーンでも風祭ゆき先生をみたいのにオスのケツがアップになってヤメテケロ。
家出した性欲&怒りMAX男子は、居酒屋夫婦の家に住みつく。高倉健崩れの旦那(石山雄大→あぶ刑事の鑑識のやっさん)と芹明香ぽい喘ぎ声と雰囲気の女(梓ようこ)。当然、女は男子をペロリ。行為後のティッシュはネピア。居酒屋で飼ってるグッピーを見つめる男子に幼さを感じた。
夏休み、学校のプール、湘南の海、家出、テキ屋バイト、不倫、中絶、高架下でのカーSEX、セーラー服、白いおパンティ……。案の定、風祭ゆき先生を襲う性欲&怒りMAX男子。不倫相手と別れ、教え子にレイプされた風祭ゆき先生。夜の浜辺を歩きながらサンダルを脱ぎ捨てた時の微笑み。切ないヨ……。
新学期、新たな気持ちでスタートなんてことはなく雨の中襲われる放送部女子。行き場のない気持ちを性欲にぶつけるクソ男子めっ!レイプシーンはしんどい気持ちになるのでみてられない。
泥だらけの放送部女子をプールに連れて行く風祭ゆき先生。傷を水で洗い流して前に進もう的なポジティブメッセージを感じる終わり方だけど、きっと今なら大炎上だね。ハードな内容だったけど、風祭ゆき先生が全てを救ってくれる感じがした。本当に美しくてスクリーンでみることができてカンゲキ。この作品は1982年なので『セーラー服と機関銃』(1981年)とほぼ同時期。ワタクシは『セーラー服と機関銃』に出ている風祭ゆき先生をみてヒトメボレしたわけです。
上映後のすずきじゅんいち監督×風祭ゆきのトークショーも良かった。日活ロマンポルノは女性が自立する話が多いとのこと。そういった目線でみていなかったので次回はその目線を忘れずに。「日活ロマンポルノですからね」と話す風祭ゆき先生のお姿は、70代になっても昔と変わらず美しいのであった。
映画好きのみなさん、この夏「ちょっと冒険してみない?」。
ちょっと冒険してみない?「ORGASM」的偏愛ロマンポルノ
8月3日(土)までラピュタ阿佐ケ谷で上映中!