取材当日、ゆるいフリートークみたいな感じでおやつを食べながら行おうと、あまり気負わずYOUGOOD I’m goodのアトリエへ向かった。「このへんの話をすれば盛り上がるかな」と思いながら、最近の音楽や映画の話を進めて行ったが、スタートから全く盛り上がらなかった。
あれ?「思ってたんとちがう」。
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シルクスクリーンをはじめたきっかけ
YOUGOOD I’m goodの竹村さんは現在36歳。埼玉県の出身だ。
服飾系の大学に通っていた頃、「糸を紡ぐこと〜服の型をつくること〜染色」を学び、特に染色について興味を持って勉強をした。服飾系の勉強と聞くと、立体的な服のデザインのイメージしかなかったのだが、竹村さんはTシャツなどオリジナルプリントのデザインがしたくて勉強をしていたという。
大学卒業後、轟音印刷倶楽部で取材させていただいた朝日染色株式会社への就職を機に、ここ栃木県足利市と関わるようになった。
私は10年ほど前に、ここYOUGOOD I’m goodのアトリエを知り「iMacが置いてあるからデザインをやっている所なのかな?」と思っていたが、シルクスクリーンのプリント台が謎で、当時は何のデザインをしている場所なのか分からなかった。シルクスクリーンをやっている所だと知ったのは、随分後になってからだ。当時は今のような雰囲気ではなく、ドアを開けるには少し躊躇しそうなクールな雰囲気だった。
そうなると、YOUGOOD I’m goodは10年近くこの場所にいる。意外にも古株なのだ。
因みに名前の由来は(竹村)裕吾→YOUGO→YOUGOOD。半角スペースが入らない理由がこれである。
竹村さんの「デザインのひきだし」
竹村さんのデザインは、クールで格好良いものから冗談みたいなデザインまで幅広い。幅広いけど、竹村さん独自の世界観がある。
では、デザインのヒントはどこから得ているのだろうか?
「加賀美健さんが好きです。あと、雑誌やInstagramとか」。
なるほど、加賀美健のデザインをみると竹村さんの世界観と通じるところがあるように感じる。
好きな雑誌についても尋ねた。
「リラックス、ポパイ、スタジオボイス、+81とか。ブックオフでパラパラみたりします」。
「あと、& Premiumも好きですね」。
ん?もう一度聞いてみた。
「ライフスタイルの参考に& Premium読みますよ」。
まさかの返答だった。
ライフスタイルのどこに何を取り入れているのだろう。
もっと聞きたかったが取材の趣旨が異なってしまうので、次回から竹村さんに会うたび「& Premiumの要素」を探してみようと思った。
「都築響一の『TOKYO STYLE』が欲しいんですよね」と竹村さん。
最近、都築響一の本を買ったばかりだったので共通項が見つかり、本日の取材でようやく話が弾んだ。
これらの引き出しから、YOUGOOD I’m goodオリジナルのデザインが生まれるのだ。
YOUGOOD I’m goodのこれから
竹村さんは他の店舗とコラボしてワークショップを開催することがある。このワークショップをきっかけにYOUGOOD I’m goodを知った方たちも多いのではないだろうか。
「参加してくれた方たちは、みんな楽しんでくれるので今後も続けたい」と竹村さん。
YOUGOOD I’m goodデザインのプリントグッズを持っている方たちは、足利市近隣には多くいると思う。
余談だが私の夫は「ちょっと待って着替えるから」と言って、YOUGOODプリントのスエットを脱ぎまた別のYOUGOODプリントのスエットに着替え、「やっぱり違うなぁ」と言ってまた別のYOUGOODプリントのスエットに着替えていた。その時ふと気づいた。「私の今日のパーカーYOUGOODだ。ペアルックになるからやめてほしい」。
きっとこのような経験は、我々だけではないだろう。
竹村さんは「オリジナルデザインのグッズをたくさん販売したいので、オンラインショップや実店舗のオープンを目指したい」と語る。
「所ジョージに憧れます(笑)。この先もずっと、好きなプリントを続けていきたい」。
そう話す竹村さんをみて、楽しそうに趣味を仕事にしている所さんのような将来象が、なんとなくイメージできた。
「がんばります」的な熱意ではなく「好きだから」を極めた熱意。でもその熱意に「熱さ」はなく、至って「ゆるい」。
それは計算なのか天然なのか。
掴めそうで掴めない、竹村さんだった。
■YOUGOOD I’m goodの記事はこちら
https://goon-type.net/creater/you-good/