酒場奇太郎
〜運命を変える方法〜
「カッコ良さそう」という理由だけで大学では心理学を専攻していた。
「カッコ良さそう」という理由だけで大学では心理学を専攻していた。
私は立ち呑み屋が好きだ。何がそんなに好きなのか改めて考えてみると、安い、早いは勿論、ゆっくりと腰掛けて呑むより、立ってでも呑みたい酒好きたちが集まる猥雑な雰囲気が好きなのかもしれない。
かれこれ20年近く足に違和感があった。まるで腰の辺りまで雪に埋もれた状態で歩くような重みが両足にのしかかるのだ。
「お客さん終点ですよ」どうやら縁もゆかりもない駅にいる。これで何日連続だろうか。今日もケータイのカメラロールには意味不明の写真が散見される。
私が敬愛する中島らもさんは、あらゆる飛び道具に貪欲で、どれだけヨレヨレになろうが面白い文章を書く作家だ。
先日、世界各国で修羅場という修羅場を潜り抜けてきた先輩から、「お前は酒呑み過ぎだから休肝日をつくれ」と言われた。
京都の〝庶民〟のことは以前から注目している。
私の父は親族一の高学歴で、80間近にして今なお勉強を続ける真面目な人間だが、とにかく酒が好きな男だ。
友達と酒を呑む時は、翌日に記憶を失うほどの勢いで呑まないと、その人と限界まで楽しみきったという手応えが得られず、後々寂しい気持ちになる。