Column

瞋で嫉の反服談義

佐藤一花

今回の煩悩は、6つの根本煩悩である瞋(じん)の中の嫉(しつ)。
瞋は、怒り腹をたてること。
嫉は、妬む事。

煩悩ランキング結構上位ではないでしょうか?
わたくしの半分は怒りで生きています、バファリンと一緒。コラムを読まれている方はお分かりでしょうが。温かく、冷やかにほっておいてください。

連載3回目辺りにファッションの事をコラムに書き始めた処、盛大な令和独り悪口大合戦になり、嫌気がさして自らボツりました。

正気を取り戻しましたので、わたくし来年度より新規一転、ナイスセレクトショップを始める事にしました。トリプルワーク。
ラインナップをご紹介いたす。

○狂い編み物☆堀ノ内:デザインから、ご本人が編み機で編みあげる狂った作品たち。横山やすし、町田康、セーラームーン、矢沢永吉、天皇皇后両陛下、それを割とリアルな描写で仕上げられたセーター達。モチーフの選択がとてもハイセンスだけではなく、ニットとしての完成度の高さも良い。オーダーニットがほとんどなので、コレを着ていたら、それだけで各地域の人気者必須感。(ユニセックス可)

○コム デ ギャルソン ガール:これは商品限定ですが、山瀬まゆみさん別注のレザーバッグ。なんてったって、「FIGHT WITH LOVE」とフリーハンドで描かれた黒レザーのバッグ。メッセージが何より好き。仕入れ難疑でも、是非入れたい代物。ばぁちゃんになっても持てる品。気に入らない客が来たら、バッグの角で思いっきり叩きたい。(老若男女可)

○”C”:言わずと知れた加賀美健さんが15年位やっているブランド。パーカートレーナーとTシャツのみというアイテムでも、尖って斜めにすっ飛んでく最高な図案。毎回購入しているので、歴代を売りに出せる位あたくしも所有しております。画像を送って頂く度に、噴き出す逸品達。(ユニセックス可)

IIII:自作グラフィック、オールハンドプリントのブランド。ロングTシャツ、財布、ZINE。尖りまくりの、ゾッとしちゃうと可愛い全部のせ感のあるプリント図柄。初めて見た時から、全部欲しい病が発症しているので、きっとストリートな子達にも伝わるであろうアンダーグラウンド感ある世界。はてブランド名は、何て読むのでしょうか?(ユニセックス可)

SIMONE ROCHA:ロンドンのブランドです。かなり辛口で攻めて来たので、海外甘めブランドをと言いつつ、こちらもなかなか一筋縄ではイカない形状。スカート、ワンピースなどを面白いレイヤードで楽しめる上級者が居たら最高。でっかい真珠か豆の様なバッグが最高可愛いので仕入れて、膝に乗っけて撫でまわす、必須。(レディースのみ)

WACKO MARIA:アロハシャツの柄選手権1位。イケイケ夏の思ひ出対応で、スポット入荷させたい。コラボ相手も素晴らしく、ストリートだけでない男性達向け。あの夏はあーだったんだよって斜め上向くナンパな方に着て頂き、うだうだ思い出話をして頂きたい。(ユニセックス可)

TOMO KOIZUMI:言わずと知れたフリフリのデコラティブなドレス達。カラーもので、幸せ有頂天。ひとつ置くだけで、店がいっぱいになるほどの大きさで夢いっぱい。菊人形をモチーフにされていると、更に好きになった甘い世界。急なオートクチュール部門で、仕入れ困難破産必須であろう代物。(レディースのみ)

中華人民共和国の服:ノーブランドです。個人的にカンフーシューズ、刺繍ガウン、カンフースーツが好きなので、ワンマイル対応で。あと、北野武が良く被っているでっけー顔のかぶり物も仕入れたい。ハロウィン・クリスマス・正月需要にも。素材は、シルクでいやらしい感じの柄があれば、なお良し。ワンマイルなのに、マフィア感出したいアイテム。(子ども可、老若男女)

KIDILL:パンクス最上級洒落服と云ったところ。遊び心と良シルエット、柄の組み合わせパーペキ。ヴィヴィアン・ウエストウッドが若い頃着てそうな、パリッとしている感じの服が多いので、プリントのセットアップスーツ、ジャケットなどを入れたい。格好良く肩で風切り過ぎて、ジャケットの肩パットマシマシしたい感。(ユニセックス可)

それこそ、靴やアクセサリーをあげると何部作にもなるので、割愛。

店舗内装は、木製とコンクリの床、壁はメタリックミラー仕上げ、ミラーボールと少しのブラックライトで、黒漆塗りの大きめな直線的椅子と流木と盆栽、苔を生やしたい。

BGMは、奈良のイケメン坊主のお経をボリューム落としてかけたい。

そんな処でしょうか。今この北関東の片田舎にいる訳ですが、そろそろ自由な服選びをしましょうよ、と思ふこの頃。

焼け石に水偏り過多スタイル。
決して奇抜だけでもなく、型にもハマらない。
微量の違和感は面白いし、いつも食べている醤油だけど、バター足すことで凄い革命起きたりする感。

服達もそう。そう云う力があると信じているのと、イ・キ・ザ・マが本人以上に出る部分かと思う処、誰か目線でない着こなしをすべきかと存じ上げます。

表情筋の示す笑い皺の様に、其々の着たい方向性の表現を持ち、もっと個性を。
他人に良く思われたいが為に、変に若ぶって整形を繰り返した不自然さ満点の顔面ではなく、整形したとしても高須先生の様な自然な顔で、話ずれました…。

故、マイルドヤンキーがMCM持ってるようなのでもなく、引き算しすぎてもはやユニフォーム君でもなく、モテを意識しすぎた誰目線かでも、縫製汚すぎのまま法外な値段で売る信者系作家服でもなく、ナチュラル系装ったシタタカさんでもなく、田舎のお洒落さんでもなく、其々の面白みが出る様な服選びが何だって楽しいと思ふ。

世の中には恐ろしいほど服があり、光栄なことに天才的ファッションが存在する。
伝統衣装も勿論良いし、組合せ折衷にデザイヤーして欲しい。

でも、今部屋で自分が選んだ服を見渡してみて、どう思ふ?
ハッと妬まれる程の楽しい服達を毎日着られたのなら、24時間が変わっていくだろう。

いつも人と出会う時「どんな思考なんだろうか」は、服で分かる。
妬まれる位の良センスと数パーセントの悪趣味を織り交ぜて大人の情操教育。
※情操とは:美しいもの、優れたものに接しえ感動する、情感豊かな心。道徳的・藝術的・宗教的など、社会的価値をもった複雑な感情。

そうしたら、色々な怒りなんかどこか行って、毎日が幸せしか残らないよ。

店名は『不条理』で決まり。

「あそこの店、誰が行くの?」と陰口言われ、経営難に陥るであろう。本気で服屋やってる人達に怒られそうだけど、これは押しつけでもなく、世を楽しむ術かと。

「あなたの個性その服に表れてますよ?」な私の妄想第2弾。

佐藤一花

Creator

佐藤一花

1979年群馬県生まれ。文化服装学院卒業後、アパレル生産管理、販売などを経て、現在のオフィスアートレディ活動に至る。イラスト・コラージュ・立体作品を制作。群馬、東京、埼玉など全国各処で展示を開催。