Column

追憶の東京〜地図のような文章〜
特別編 ローリング・ストーンズのこと
(個人的ディスコグラフィ)

サイトウナオミ

もう番外編とつけるのもやめた。流れるままに横滑りしていくことにした。

番外編とつけるのをやめた途端に、今回はさらに番外編なので、一応「特別編」にしておく(誰も気にしていないと思うけれど)。当初の予定では、今回はスターバックスについて書く予定だったけれど、先日ローリング・ストーンズのドラム、チャーリー・ワッツさんがお亡くなりになられたので、今回はストーンズについて個人的な思い出をまとめたいと思う。あくまでも個人的なお話です。僕は音楽にすごく詳しいわけではないので、音楽的に詳しいことを知りたければ、それなりの人の文章を読んでもらえればと思う。

手元にある雑誌で、チャーリー・ワッツについて載っているのがGQ Japanの2001年3月号。「音楽はドラムだ!」の特集の中で、リンゴ・スターの隣のページで紹介されている。

この写真を見てチャーリー・ワッツというドラマーについて最初に興味を持ったのだと思う。他にも何かの雑誌でチャーリー・ワッツが特集されているのを見た気がするのだが、手元に見当たらないのでわからない。いい写真が載っていた気がするのだが…。

そして、2014年にストーンズの東京ドームのライブを観に行った。その時に見たチャーリーの佇まいは凛としていてジェントルだった。4人ともそれなりの歳のはずが、めちゃくちゃカッコよく、人間ばなれしていて妖怪のようにさえ感じた。そんな4人の中でもチャーリーは一際カッコよかった。チャーリーはジャズのアルバムも出しているみたいなので、今度探して聴いてみたいと思う。チャーリー・ワッツ、名前もすごくカッコいい。

さて、ストーンズについて。

高校生の時はビートルズには手を出したけれど、ストーンズは聴いたことはなかった。最初に買ったアルバムは、『Bridges to Babylon〈1997〉』(年数はオリジナル発売年)。東京に出てきた97年の夏に放送されていた武田真治主演のドラマ『フェイス』の主題歌に『ANGIE(悲しみのアンジー)』が使われていて、それがカッコよかったからというミーハーな理由。ドラマの内容はまったく覚えていない(キムタク主演の『ギフト』の主題歌だと勘違いしていた。調べたら、それはBryan Ferry の『Tokyo Joe』だった。それもカッコよかったけれど)ストーンズのアルバムは、全部手元に残っていると思っていたけれど、このアルバムだけ見当たらない。売ってしまったのかな。

昔のロックミュージックを聴くようになって、ストーンズで最初の頃買ったのは『(I Can’t Get No)Satisfaction』の入っている『Big Hits (High Tide and Green Grass)〈1966〉』か、『Jumpin’ Jack Flash』の入っている『Through The Past, Darkly (Big Hits Vol. 2)〈1969〉』あたりだったと思う。もしくは、初期の『out of our heads〈1965〉』を買ったのかもしれない。この3つの中では、『Through The Past, Darkly (Big Hits Vol. 2)』が1番好きだ。『Paint It Black』『Ruby Tuesday』『She’s a Rainbow』などの名曲が並んでいる。

その次に結構早い段階で買ったのは『Goats Head Soup(山羊の頭のスープ)〈1973〉』だったと思う。ジャケ買いだったか、『悲しみのアンジー』が入ってたから買ったのかもう憶えていない。今聴くと面白いのだが、当時はあまり良さがわからなかった。

レコードで最初に買ったのは、『Tattoo You(刺青の男)〈1981〉』。ジャズサックスの巨匠ソニー・ロリンズが参加しているストーンズのアルバムがあるというのを聞いて、ディスクユニオンで中古のレコードを探した。ソニー・ロリンズの音を確認しただけで、何度も聴いていなかったけれど、これも今聴くととてもよい。ちなみに、ソニー・ロリンズは98年に来日したときに中野サンプラザに聴きに行って、出待ちしてサインももらっている。

世間的にも名盤とされていて僕も好きな2枚は『Beggars Banquet〈1968〉』『Let It Bleed〈1969〉』。この2枚と『Through The Past, Darkly (Big Hits Vol. 2)』は何度も聴いた。好きな曲が多く入っている。特に『Let It Bleed』をよく聴いた気がする。この前後に出たアルバムはなぜか持っていない。今度聴いてみたいと思う。

アンディ・ウォーホルがジャケットのアートワークを手がけて有名な『Sticky Fingers〈1971〉』は、CDだと普通のジーンズの写真でなんてことはないのだが、レコードでは本物のジッパーがついている。リマスターか何かのときにCDでもジッパーがついたものがあったと思うが、CDのサイズだとおもちゃのようで面白くない。やはりレコードのサイズでないと意味がない。

ちなみに、そのジッパーつきのレコードは手元にある。学生時代に高田に住んでいたとき、夜にごみ捨て場で拾った大量のレコード中に入っていた。その中にはストーンズのレコードが『Sticky Fingers』を含めて10枚あった。

2014年の来日時の前後、ネットショッピングで買ったCDは、『Sticky Fingers』『Exile on Main St.(メイン・ストリートのならず者)〈1972〉』、『It’s Only Rock’n Roll〈1974〉』、『Some Girls(女たち)〈1978〉』、『Emotional Rescue〈1980〉』、『Tattoo You』の6枚。2012年に出た『GRRR!』というベスト盤も持っている。これでたぶん持っているCDは全部。本格的なストーンズリスナーから見れば、かなりのつまみ食いだと思う。

ビデオで持っていたのが、『Rock’n’Roll Circus』という映像作品。これがめちゃくちゃすごい。ストーンズのメンバーに加え、ジョン・レノン、エリック・クラプトン、ザ・フーなどなど豪華メンバーが出演している。ビデオで友人の市川くんと何度も酒を飲みながら観ていたのだが、そのうちテープがからみはじめて、まともに観ることが出来なくなってしまった。調べたら、Blu-rayになっているみたいなので、そのうち買ってもう一度観てみたいと思う。

そういえば、昨年YouTubeで発表した、8年ぶりの新作『Living In A Ghost Town』もカッコよかった。70、80歳になってもこれだけカッコよくて、ステージの上を走り回っているのは、ほんとに人間ばなれしている。やっぱり妖怪なのじゃないかと今でも疑っている。

おまけ:
Tahiti 80 の名盤『PUZZLE』の中の『Mr Davies』という曲の中で出てくる「Charlie Watts!」って歌うところ、とてもチャーミングで好きです。

Creator

サイトウナオミ

地図描き/ふやふや堂店主。群馬県桐生市出身。東京・京都を経て2012年秋より再び桐生市に住む。マップデザイン研究室として雑誌や書籍の地図のデザインをしながら、2014年末より「ちいさな本や ふやふや堂」をはじめる。桐生市本町1・2丁目周辺のまちづくりにも関わり始める。流れに身をまかせている。