Column

岩橋、御大、THE SECOND

ボンジュール古本

前口上
色々なことが起き続けているお笑い界隈、今は変化の渦中なのでやたらと気ぜわしい。

岩橋さんという逸材

プラス・マイナスというコンビを組んでいた岩橋さん、元々精神的な病を抱えていて、漫才中やトークの言動におかしな部分があったがそのはざまで正気なのかボケているのかがわからず、それも含めて勢いと爆発で笑えて、ってまあそれはどっちでもよくて、今年のTHE SECONDの選考会32組に残っていた。

プラマイは、トーナメント強そうだな!と楽しみにしていたが選考直後突如解散し、THE SECONDは辞退という名目で出演はなしになった。なぜこんなことになったのか、気になる方は各々でググって頂きたいが、これも松本人志の問題が発端となっていると思う。松本さん本人がメディアへ登場しないことは個人的に何も問題ないが、一組の有望な漫才師のTHE SECONDでの活躍を見られないという部分では大変な迷惑を被っている。そもそもプラス・マイナスがいなくなったこと、これは本当に残念だ。

岩橋さんは己を貫いた。所属会社の強制指示に従いたくなかったのだ。彼のXのつぶやきを見ているととても悲しくなる。
「どうせ俺の言ってることなんか、あいつ頭おかしいからと切り捨てられる」
「吉本興業やめてまで何してんねん」
「実家帰っておかんの顔見たら涙止まらんくなった」
しかし人気者の岩橋さんのことだから、今後は引く手あまたではないか?彼を制圧するものは、もう何もないのだ。多分。

悲惨なのは元相方の兼光さんだ。突然1人になった挙げ句、どうしても乗りたい車があり、2年待ちわびた新車を解散のさなか納品したそうで、即、売るかもしれんと嘆いていたそうだ。

御大と呼ばれる男

千葉テレビで放送中の『白黒アンジャッシュ』が先日1,000回目の放送を迎えた。私はこの番組を渡部さんの事件以降、ずっと見ている。通常、様々な若手芸人がゲストで登場する。先日の放送1,000回記念ゲストは東野幸治さんとフットボールアワーの後藤輝基さんで、より盛り上がりを見せていた。

児嶋さんが、東野さんと初めて会ったエピソードを話すなか、渡部さんが「いやそこ違う違う」と手をぶんぶん振りながら話しの腰を折るシーンがあった。ここで東野さんと後藤さんは爆笑し「渡部ってこうだよな!変わってへんな!」とつっこんでいたが、渡部は「いや、過去の俺は一切捨てたんで!」などと弁明しだし、児嶋さんは「お前はさ、なにも変わってないんだよ!」と叫んでいた。

以前より番組のなかで、渡部さんは何かにつけ「俺は変わった」「過去の俺はもういない」と言うのだが、決まってその時彼は、児島さんの方を見ていないのが気になっていた。その人が以前と変わったかどうかは、親しい人や周りの人が判断することだ。ゲストに柳原可奈子さんが出演した際、ワンオペの家事が如何に大変かというあるある話で渡部さんと2人、「わかる!それそれ!」とほとんど絶叫し合っていて、キツイなと思いながらも一応見ていた。

そこへ御大に
「グラス1個だけ流し台に置いてあるのを洗う手間、お前にわかる?!」と指を指した時点で、見るに堪えんとテレビを消した。御大とは児嶋さんのことで、東野さんと後藤さんは「なぜ御大やねん」とつっこんでおり、由来は不明のままだったが、本当にその通りだし、良い呼び名だと思う。

THE SECOND

その前記した、プラマイ不在で行われるTHE SECOND。
ノックアウトステージに残る32組のうち、16組に残って欲しいコンビがいくつかいる。
Aブロック:誰でもいい
Bブロック:誰でもいい
Cブロック:ななまがり
Dブロック:金属バット
Eブロック:4組全員
Fブロック:囲碁将棋、ヘンダーソン
Gブロック:ヤング、マシンガンズ、ガクテンソク
Hブロック:モンスターエンジン、ランジャタイ

ラジオ『霜降り明星のオールナイトニッポン』で、このブロック分けを見ながら粗品が
「Aブロック薄いなー」と言ってたので笑ったが、私の中でもかなり偏りが起き、どうなってもいいブロックと、殺し合いになるブロックの差が激しくなった。

だがそこはどうでもいいほど嬉しいのが、漫才師ヤングが残っていることだ。ヤングは大阪で活動中の結成20年を越える漫才師で、自分たちで所属事務所を立ち上げたほぼ無名の2人だ。大阪選考会では会場で一番ウケたと聞き、私は嬉しかったし、ほらね!と得意げになった。勝ち上がって欲しいが、それで大人気になったら遠い人になるようでさみしいな、それによってライブのチケット取れにくくなったらやだな、など私は自分のことしか考えていないな、しかも起きてないことを心配するのは阿呆だな、と思ったり思わなかったりした。

出場者全員がベテランで、M-1のように張り詰めた空気にガチガチになったり、緊張が解けて泣いたりする人もいないので、ただただ勝手なこと言いながら見られる。ゆるやかに楽しめる大会と思いきや、ガチンコタイマン一本勝負で、勝ち続けたコンビが優勝するというハードさも持ち合わせたTHE SECOND、今年も開催されるようでひと安心、そして大変楽しみだ。