Column

轟音印刷倶楽部発足
Tシャツデザインをやってみたい その3

YOUGOOD I'm good

教えてくれる人:YOUGOOD I’m good 竹村裕吾氏
教わる人:新太郎君 11歳(小5) 趣味はゲーム

取材当日、新太郎君はクールなストIIのスエットを着ていた。人物の顔のイラストを描くことが多く、目を描くことに苦戦しているらしい。また動画の編集にも凝っていると楽しそうに話していた。今回は新太郎君デザインの版が完成したので、好きなグッズにプリントをします。
新太郎君の最終回です!

左)新太郎君のお父さんがセレクトしたTシャツと長袖スエットにプリントを
右)クールなストIIのスエット。春麗とダルシムが好きだそう

色をつくろう!

新太郎君のデザインでは4色を使用していたが、色をつくる時間がかかってしまうことと技術的に難しい部分があるので、今回は1色に変更した。ごめんよ、新太郎君。

新太郎君がデザインしたロゴマークの完成形

黒のTシャツと長袖スエットには唇に使用している赤インクを使用し、緑のTシャツには黒インクを使用してプリントをすることに決定した。

ロゴのサイズは大小用意。目の部分は外側と内側に変化をつけるため、外側をボカシに変えた。それによって、プリント時のインクの出方が変わるのだ

さて、竹村先生の出番だ。色は絵の具のように混ぜてつくる。朝日染色で見学したように「微妙な調整→試し刷り→乾燥」を繰り返して、イメージした色味を出していくのだ。
シアン・マゼンタ・イエローのインクを混ぜて色をつくるのだが、黒にプリントする赤は、マゼンタに朱色の顔料を足してイメージした色味を調整していくことにした。

色のつくり方をレクチャーする竹村先生。今回はバインダー(糊)入りのインクを使用した
計量しながら、微妙な色味を調整。朝日染色では小数点までこだわって調整をするという。とても緻密な作業だ

試し刷りをしよう!

竹村先生は、朱色の顔料を加えたインクを目視で「このぐらいかな?」と判断して、試し刷りを始めた。黒にプリントをするので、赤色が沈んでしまう。そのため、沈む具合をイメージして色味を調整していた。1回目はマゼンタが強すぎたので、朱色の顔料を5g加え、2、3回と同様の作業を続けた結果、3回目の色がイメージに近づいてきた。
竹村先生が「2度刷りも良いかもしれない」とアイデアを出してくれたので、重ねて刷ってみることに。すると、色味がより一層はっきりとして、新太郎君も満足しているようだった。

右下が2度刷りをした方。試し刷りは、実際にプリントする同じ黒地の端切れを使って行った。朝日染色にもたくさんの色見本がありましたね

プリントする位置を決めよう!

色が完成したので、いよいよ本番!さて、新太郎君はどこにプリントをしたいのかな?
「さり気ない感じにしたい」と言う新太郎君。
Tシャツは小さいサイズを胸元に、長袖スエットは袖口に入れることにした。

「付けは付け屋」の竹村先生が慎重に位置を決める
位置を決めたら、ズレないようにしっかり固定をする
使用しない部分はマスキングをして、いよいよ初刷り!
「緊張した!」と新太郎君
上出来!!目の部分も外側のボカシが効いている
さり気ない轟音印刷倶楽部のロゴ入りTシャツが完成!
長袖スエットの袖口は技術的に難しいので、竹村先生が対応
「明日学校に着ていきます!」とうれしそうな新太郎君
お父さん用の長袖スエットには、大きいロゴを背中に入れた。お父さんは早速着用して、モカコーヒーでコーヒーを淹れていた
緑のTシャツには黒インクを。こちらは1度刷りにして、緑と馴染むようにした
カラーのロゴはシルクスクリーンでできなかったけど、紙の印刷はできるので、ポストカードをプレゼント!みんなに配りまくってね

3回に及ぶ取材は、今回で最終回。
デザイン作成〜工場見学〜プリントを体験したが、シルクスクリーンをしっかりと堪能できただろうか。
「自分の好きなこと(デザインやイラストを描くこと)をやりながら学べたので楽しかったです。工場にあったたくさんの版とか、色の分量を調整することとか、見たことがなかったからおもしろかった!」と新太郎君。
「シルクスクリーンは体験をすることで楽しさを知ってもらえると思う。さらに工場を見学することでより深くプリントの魅力を知ってくれたかな。将来の役に立てたらいいですね!」と竹村先生。
新太郎君の今年の目標は、クリスマスプレゼントにもらったエレキギターを練習して上手になること!いつか竹村先生のアトリエ「YOUGOOD I’m good」でライブをやってほしい。その時は轟音印刷倶楽部のロゴ入りの衣装で!
轟音印刷倶楽部はまだまだ続きます。さて次回は、、、ネタ切れなので少々お待ちを。

Creator

YOUGOOD I'm good

就職を機に栃木県足利市に移住。服地のプリント工場で働く傍ら、個人でオリジナル商品の製作、Tシャツなどのプリント加工を行う。適当っぷりとゆる〜い感じが武器。プリントは意外に良好かも…!?