Column

積ん読ブックガイド
年を越えた10冊 2022〜2023篇

サイトウナオミ

『追憶の東京〜地図のような文章〜』の続きを書かなくてはと毎月追い込まれているのだが、越えなくてはならない壁がなかなか越えられそうもなくてなかなか書き始められない。おそらく来月には書けると思うのだが…。『私的村上春樹ブックガイド』の第3回も書きたいと思っているのだが…。ということで(どういうことで?)新年ということもあるので、新年らしく年末に片づけた時に、積ん読をちゃんと積んでみようと積み上げた本を紹介するという企画でお茶を濁したいと思う。

[1冊目]『カフカの「城」他三篇』森泉岳土(河出書房新社)
確か松本市に行った時にどこかの本屋さんで買った気がする。森泉さんの漫画はとても面白いのだが、ぐっと気持ちを持っていかれる感じがして、読むのがもったいない気がしてなかなか読み始められない。ちなみに森泉さんの本は他にも2冊くらい持っているが読み切ってない。たぶん近いうちに読む。

[2冊目]『スピン』(河出書房新社)
話題の文芸誌の創刊号、早く読めばいいものを読まずに年を越してしまった。もう2号が出るので早く読まないと溜まっていくことになる。やばい。

[3冊目]『新日本プロレス英語入門』(アルク)
プロレスの師匠である、てっちゃんから借りた本。なんとプロレスを学びながら英語も勉強できるという一石二鳥な本。英語は置いておいて、プロレスをもっと楽しむために目を通そうと思っている。

[4冊目]『東京の夫婦』松尾スズキ(マガジンハウス)
11月のGO ON SHOPで買ったボンジュール古本さんの古本。パラパラっと見た感じとても面白そうだったので購入したけど、読まないまま年を越えてしまった。どこかに出かける時に電車の中で読みたいと思っている。

[5冊目]『鴨川ランナー』グレゴリー・ケズナジャット(講談社)
9月に京都へ行った時にたしか恵文社一乗寺店で購入。日本語を母語としない著者が日本語を使って書いた二人称小説。読み始めてはいて、とても不思議な文体で面白いが途中で止まっている。これも移動中に読みたい。

[6冊目]『大阪キタと中之島 歴史の現場 読み歩き。』松井宏員(140B)
10月末に神保町の古本市に行った際に、すずらん通りのブックフェアで140Bのブースで購入。140Bは仕事先の会社である。大阪のキタと中之島の歴史にまつわる場所を紹介している本。とても興味深い本。興味深いがついつい後回しになってしまう。

[7冊目]『村上春樹を、心で聴く』宮脇俊文(青土社)
どこかで古本で購入。ブックオフだったか?宮脇さんの村上春樹評は共感できるところが多いので、最近の作品(『騎士団長殺し』)までカバーしているので読んでみようと思って、途中まで読んで止まっている。他にも村上春樹本は何冊か止まっているものがある。まぁゆっくり読んでいこう。

[8冊目]『タモリと戦後ニッポン』近藤正高(講談社現代新書)
11月にある団体の旅行で鹿児島県へ行った際に、ホテルの隣のブックオフで購入。さんざん飲んで結構酔いが回っている状態で(このあとホテルに戻ってすぐ眠ってしまった)この本を見つけることができた自分が誇らしい。帰りの飛行機の中で読んで、そのまま止まっている。とても面白い本なので続きを読みたいと思っている。

[9冊目]『スクイズ・プレー』P・ベンジャミン(新潮文庫)
9月に京都へ行った際にたしか誠光社で購入。ポール・ベンジャミンというのは映画『スモーク』を観た方ならわかると思うが、ポール・オースターのことである。この名前で本を出していたんだと感動して購入。まだ読み始めてもいない。

[10冊目]『失われた時を求めて1』プルースト(岩波文庫)
言わずとしれた超大作『失われた時を求めて』。仏文出身としてはやはり読まなくてはと思い一昨年の1月に前橋市の紀伊国屋で購入。この本を読み始めるという目標を重しに他の本を読むということをしてきたため、まだ読み終わっていないどころか読み始められないまま2年が過ぎた。今年こそは読み始めたい。『失われた時を求めて』を読破した市川くんが言うには、途中まではとても退屈だが、あるポイントを越えると止まらなくなるそうである。ぜひ40代のうちには読み終えたい。

とりあえず10冊紹介したのだけれど、もちろん他にも読み途中の本、まだ読み始めてもいない本がたくさんある。困ったものである。その上、月に数冊新しく積まれるべくして手元に本がやってくる。ちなみに、こんだけ積んどいて、今寝る前に読んでいるのは村上春樹の『1Q84』である。2回目。読み始めたら止まらなくなってしまった。新聞も12月の前半分から溜まっている。どうにかしなくては。とりあえず読む時間を少し増やすしかない。ここで紹介した本を、今後ちゃんと読み終えてみなさんに紹介できるのが今年の目標である。

Creator

サイトウナオミ

地図描き/ふやふや堂店主。群馬県桐生市出身。東京・京都を経て2012年秋より再び桐生市に住む。マップデザイン研究室として雑誌や書籍の地図のデザインをしながら、2014年末より「ちいさな本や ふやふや堂」をはじめる。桐生市本町1・2丁目周辺のまちづくりにも関わり始める。流れに身をまかせている。