Column

夏の定番 in ASHIKAGA

GO ON編集人

ひこまやの冷やし中華

今年もミョウガの正しい切り方が分からないまま夏が終わる…なんて感傷に耽っていたら、PEANUTS BAKERY laboratoryの長谷川渚さんが、神奈川の秦野から足利へ遊びに来てくれた。日程をLINEで送ってくれたのだが「ひこまやで冷やし中華食べるんだ!」と一文が。ひこまやを目的に来る友人は皆無に等しいのでうれしかった。

渚を鑁阿寺の境内にあるひこまやを地図で案内するも、東西南北が分からない彼女。分かりやすく上下左右で案内した。「正門から入って、上のほうだよ」と伝えたが、無事辿り着いたようで安心した。

ひこまやの冷やし中華は4月下旬頃からはじまる。「冷やし中華はいつから始まるの?」とママに聞いたら「製麺所が冷やし中華の麺を作り始めたら」と話していた。

私はラーメン屋で冷やし中華を注文することはないし、自分でもほとんど作らない(夏は火を使う料理はしない)。今年は特別おいしいわけではないが、冷凍食品の冷やし中華を何度か食べた。そう考えると、基本的に冷やし中華はひこまやでしか食べない。

ひこまやの冷やし中華は、具材はほぼ同じだけど、たまに卵が異なる。ゆで卵か焼いた卵になる。時折、具の一部が変わる時もあるが、そんなことは気にしない。酸っぱすぎないちょうどいいタレもポイントだ。

ひこまやの冷やし中華

冷やし中華とかき氷、冷やし中華といもフライ、冷やし中華とところてん。夏はこの組み合わせにすることが多い。冷やし中華600円、いもフライ400円。ひこまやファンとしては、一度で1,000円ぐらいは落としたい。因みに夏以外は、焼きそばといもフライ、ラーメンといもフライ、かけそばといもフライ。といった組み合わせが定番である。

なぜ、ひこまやが好きなのか。雰囲気が良い…とかあるけど、何よりもおいしいからだ。焼きそばのベチョっとした具合、いもが入っていないところも良い。いもフライのソースは毎度むせかえるぐらい。ところてんはその場で押し出して提供してくれる。タレは酸っぱすぎず青のりの海っぽさが好み。かき氷はシロップの種類がたくさんあるので、イチゴとかメロン、ブルーハワイといった定番しか頼まない。

あと、うつわがステキだ。焼きそばのうつわは中華皿。冷やし中華のうつわは薄いパープルのガラス。涼しげで良い。

ひこまやの冷やし中華

そして何よりも、ママとマスターの人柄だ。以前は両崖山の帰りに寄っていたので、今でもママに「山行ったん?」って聞かれる。今年ママがいない日が続いたのでマスターに聞いたら、骨折して入院したと話していた。心配だったので、できる限りひこまやへ足を運んだ。すると杖をついたママがいた。聞いたら自宅で転倒して骨折したとのこと。入院中の愚痴を聞きながら、焼きそばといもフライを食べた。別れ際ママに「できる限りがんばるね」と言われた。私はその後、ちょっと泣いた。

余談だが両崖山帰りの鉄板コースは、両崖山〜蕎遊庵〜ひこまや〜上州屋餅店。冬の蕎遊庵が好きで、特にかけそばが絶品。あと豚大根。でも上品な量なので足らないから、ひこまやで腹を満たす。デザートは上州屋餅店の豆大福。ここの豆大福を食べた時の感動は一生忘れないだろう。どの店もずっと続いて欲しい。

ふくしまやのかき氷

名草の入り口に佇むふくしまやは和菓子のお店。6月頃からかき氷がスタートする。「この夏何回食べられるか」みたいな気持ちで毎年通っている。ふくしまやのかき氷デビューにはいちご大福がおすすめだ。いちごの果実がゴロゴロしたシロップとあずきと白玉。全メニューを制覇したいが、毎年同じメニューを頼んでいることに気づく。ここ2年はパッションフルーツココナッツ。練乳よりココナッツ最高。というか全部最高。先日はパッションフルーツ大福も一緒に食べた。海なんて無いのに南国だった。今年はまだ2回だけ。9月いっぱいまでかき氷をやってほしい。

ふくしまやのかき氷。パッションフルーツココナッツ

以前、お店の人に「かき氷、食べ慣れてますか?慣れてる人は氷を崩しませんからね」と言われた。つい最近、いちじくココナッツを食べたのだが、数秒で左半分が崩壊した。かき氷のプロを目指したいから、崩さない食べ方をマスターしたい。(最初に周りを一周、スプーンで軽く推し固めれば大丈夫、とかき氷マスターからアドバイスをいただいた!参考にします!!)

今回は渚を案内することができなかったが、次に来ることがあれば両崖山〜蕎遊庵〜ひこまや〜上州屋餅店コースを案内したいし、名草のふくしまやも案内したい。また来てね。

お土産のブルーベリージャムが絶品すぎた。どうもありがとう。

PEANUTS BAKERY laboratoryのブルーベリージャム

Creator

GO ON編集人 牧田幸恵

栃木県足利市在住。グラフィックデザイナー、タウン情報誌等の編集長を経て2020年12月にGO ONを立ち上げた。