買い物する人:YOUGOOD I’m good 竹村裕吾氏
買い物に誘われた人:彫刻家 牧田草平氏
https://www.instagram.com/makita_sohei/
先月のプレゼント企画の中で、竹村さんが「次は骨董市ですかね。タイミングが合えば一緒に行きたいです」と牧田さんに話していたことを覚えているだろうか。
早速5月1日に群馬県桐生市で開催されている『桐生天満宮古民具骨董市』へ、牧田さんと一緒に向かうことにした。
前回同様、各々の予算は2,000円。買い物時間は2時間として、今回はプレゼントではなく自分で欲しい物を買って、後ほどプレゼンをするという企画になった。
因みに竹村さんの骨董市歴は今回で2回目、牧田さんは7年というベテランだ。2人とも約1年ぶりの骨董市。では、お買い物スタート!
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欲しい物は直感で決めるタイプ(竹村)
では、竹村さんの買った物を順にプレゼンしていただこう。
竹村「まずは、このVHSですね。『レオン』だけが欲しかったんですけど、1本だと200円、段ボール1箱(16本)だと1,000円だというので、箱買いにしました。お店の人も、値段を決めていなかったみたいで(笑)」
牧田「(お店の人は)持って帰りたくなかったのかな(笑)」
竹村「『バットマン』と『ダイ・ハード』があるから、箱ごと買ってもいいかなと思って」
牧田「VHSはプレイヤーを持っているんですか?」
竹村「いや、持ってないんでテレビデオを探します。プレイヤーを持ってないけど、買っちゃえ!って思いました」
竹村「VHSってところが良かったんです。アナログな感じがして。DVDだったら買わないですね。まぁ、最悪インテリアでもいいかな」
牧田「ケースの中身は全部入っているんですかね?AVとか入っていたりして(笑)」
竹村「2番目は『サザエボン』のキーホルダーです。1個100円だったので2個買いました」
牧田「『サザエボン』の版権が気になる(検索したら色々問題があった模様)。カブのハンドルにぶら下げたら良いじゃないですか(笑)!」
竹村「3番目はこのベストですね。500円でした。以前同じ骨董市で、この店で手編みのベストを買ったんですよ(笑)。ポケットがたくさんある所が決め手ですね」
牧田「背中にプリントはしないんですか?」
竹村「しないですね〜」
牧田「サンヨーの作業着があったから、そっちを買うのかと思いましたよ。今日のコーデイネートに合ってますね(笑)」
竹村「4番目は、デスクランプです。1,000円だったのを500円にしてもらいました。デザインが気に入ったので、使います!タイマー付きだから便利(ダイアル部分はタイマーになっている)」
竹村「この時点で、予算を200円オーバーしてしまいました(汗)」
この後は竹村さんが自分のお小遣いで買った物だが、プレゼンを続けてもらった。
竹村「500円を300円に値切って買った本棚です。学校の授業(技術家庭科)でつくったような、素人作品っぽいところが好きですね」
よく見ると、持ち主のシールや名前、落書きなどがオプションとして付いている。
個人のお小遣いを入れて、合計2,500円の買い物。竹村さんの買い物道とは何か?
竹村「なんでしょうね…直感で決めていますね。今日はすっごく楽しかったですよ!」
牧田さんは、竹村さんチョイスの買い物をみてどう思いますか?
牧田「自分では買わない物ばかりですねぇ。VHSはかさばるし、ライトは持っているから買わないなぁ。本棚はそのシールが嫌ですね(笑)。竹村さんが持っているとおもしろいんですけど、僕だとちょっと…(笑)」
【竹村さんのお買い物】
VHS1箱(16本)1,000円、サザエボンのキーホルダー1個100円を2個、ベスト500円、デスクランプ500円、本棚300円。合計2,500円(内500円は竹村さんのお小遣い)
無駄な買い物はしたくない(牧田)
続いて、牧田さんの買った物をプレゼンしていただこう。
牧田「泰山金剛経(たいざんこんごうきょう)の拓本『寿』です。2,000円を1,500円に値切って買いました」
牧田「泰山は広東省にある山です。山の岩肌に、お経が彫ってあるんですが色々な文字の1つですね」
竹村「すごいですね…。元々、そのことを知っていて買ったんですか?」
牧田「そうですね。いつか欲しいなぁと思っていました。でも贋物もあるし、本物なら1万〜3万円ぐらいするし…。本物か贋物か不明だったから1,500円なら失敗してもOKかなって(笑)。お店の人は泰山金剛経って知らないで売っていたから、その値段だったんですね」
竹村「文字のデザインがかっこいい。崩した感じの漢字がいいですね(ニヤニヤ)」
牧田「(笑)文字なんだけど、絵としておもしろいというか。Tシャツのデザインを選ぶ感覚と同じですね。縁起のいい言葉だし、本物だったらうれしいなぁ」
牧田「紙質も良いし、額も作品のためにつくられた物だと思うんですよ。持ち主が、良い物だからちゃんと額装したのかなぁと思って」
竹村「今も実際に拓本がとれるんですか?」
牧田「今はもうできないみたいです」
竹村「じゃぁ、価値があるんですかね?」
牧田「数はたくさんあると思うので、そうでもないかなぁ」
竹村「なんか人の顔にも見えてきました(笑)」
牧田「他の文字も見つけたら欲しいですね」
牧田さんはこの買い物で1,500円、残り500円になった。
買い物の時に「500円の欲しい物が見つからないから、1時間延長して欲しい」と依頼があり、買い物時間を2時間から3時間に延長した。
さぁ、牧田さんが1時間かけて買った500円の代物をみせていただこう!
牧田「槌目(つちめ)が残っているシルバーっぽい小皿ですね。値引きなし500円です」
牧田「金属の物が欲しかったんですよ。金属をたたいた痕跡が好きですね」
しかし、なぜ500円の買い物をするのに時間がかかったのか?
牧田「骨董市へ行くと、歴史と美が宿るものを探そうというスイッチが入っちゃう(笑)。僕は物を集めることが好きだから、無駄な物は買わないようにしたいんです。後で、なんで買ったんだろう…って思う物は買いたくない。だから時間がかかっちゃって(笑)」
なるほど、それが牧田さんの買い物道なのか!
(後ほど、この小皿はシルバーではなく銅に銀メッキを施した物だと判明した。そして500円では高すぎると判断して、牧田さんは悔しがっていた)
【牧田さんのお買い物】
泰山金剛経の拓本『寿』1,500円、金属の小皿500円。合計2,000円。
2人に、今回の買い物について感想を聞いてみた。
竹村「僕は直感で色々買いましたが、満足した買い物ができましたよ!」
牧田「人と買い物に行くと、価値観の違いが分かりますね。買った物について、自分を見つめることができます。おもしろいです!」
買い物について深く考えたことはなかったが、人と買い物に行くと各々の「買い物道」がみえて興味深い。予算と時間に制限をかけた買い物はなおさらだ。
竹村さんとプレゼント交換や買い物をしたい方は、ぜひ轟音編集部へ!お待ちしています。
天満宮古民具骨董市についてはこちらをご覧ください
http://www.kottouichi.jp/kiryu.htm