ひんやり
ふんわり
ぼんやり
しっとり
大橋トリオ
幸せの形は◯
夏から秋への切り替えはいつだって印象が強い。
「いいですかー?今から秋に移行しますからね、ご準備よろしくお願いしますよ」
っていう、自然界から事前に受ける啓示が、他の季節の切り替えに比べてなんか強烈だ。
夜、川沿いを歩くと感じる風の質、
地面や草花から漂う匂い、落ち葉を燃やす煙と乾燥した空気の混じる匂い。
「あー、秋だ、来たー」って、季節の移ろいをドンっと押し付けられる感じがするから。
晩秋の風の冷たさが強くなりだすと、決まって大橋トリオの『くるみ』を聴く。
歌詞の内容は過去のあの人に懐かしい想いを馳せるみたいな感じなのだけど、
私がこの曲を聴きたくなるのは「あの人は今どうしてるかしら?」ではなく、
「温かい紅茶とくるみ」というフレーズに多幸感を感じるからだ。
紅茶とくるみが美味しい事はあたりまえなんだけど、
それらを楽しむ2人を思い浮かべて、その情景に多幸感を感じるからだ。
多幸感。
おばあちゃんになったら、多幸軒という名前で街中華屋をやりたい。
