本編の話をする前に、夢の話を。久しぶりに地図的な夢の話をみた。(おそらく)東京で仕事をしている。仕事終わりに同僚の女の子と同僚のおじさんと飲みに行く。居酒屋のようなところで飲んだ後にバーのようなジャズクラブのような店に行く。そこでは、今度ノラ・ジョーンズのライブのリハーサルを聴くことができるというチラシが置いてある。そのバーのようなところで1杯だけお酒を飲んで、駅に向かう。駅で同僚の女の子とは別れて、僕は、1人家に帰るべく電車に乗ろうとする。地下鉄で帰ればシンプルなのだが、間違えてJRの改札をくぐってしまう。JRの駅の構内がおそろしく複雑で、目的の新宿方面行き(この駅は新宿駅よりも西側にあるようだ)のホームにたどり着くのが難しいという夢。何を意味するのかまったくわからない夢だった。
さて、神保町の話の続きである。最後は、靖国通りの北側の話である。神田伯剌西爾(以下ぶらじる)の休憩時間に行った昼ご飯の話。ぶらじるのある小宮山書店の場所から書泉グランデの前を通り、秋葉原方面に少し歩くと横断歩道があるので、そこを渡る。渡った先には細い路地が2本ある。その細い路地と路地の間には人生劇場という名のパチンコ屋があった(ストリートビューで見る限りでは今もあるようだ)。
東側の路地の人生劇場の先には餃子屋という名の餃子屋がある。スヰートポーヅにも行ったが、この餃子屋にもよく行った記憶がある(もう1軒餃子のお店があった気がするのだが名前も場所も忘れてしまった)。餃子屋の先の角には、伊峡という昔ながらのラーメン屋がある。伊峡のラーメンはしょうゆ味で、とてもシンプルでうまい。そして安い。ほとんどの場合、半チャンラーメン(半人前のチャーハンとラーメンのセット)を頼んだ。なぜ半チャーではなくて半チャンなのかは、未だ謎のままである。半チャンラーメンでも600円くらいだったと思う。
人生劇場の路地の、どちらかだかは忘れてしまったが、人生劇場の隣に1人すき焼きができる店があった。店の名前は忘れていたのだが、兄が「はらの」だと教えてくれた。はらのには一度だけ入ったことがある。長い(たぶんコの字の)カウンターがあり、それぞれの前にコンロが置いてあったと記憶している。注文すると、1人分のすき焼きが出てくる。すき焼き以外にも何種類か鍋があったような気もする。一度しか入っていないので、すごく安かったわけでも、すごくおいしかったわけでもないと思う。今思うとすごく懐かしい。
この界隈で一番お世話になったのが、いもやグループである。たしか人生劇場の西側路地を進んだ先にあったと思う。天丼のいもや、天ぷらのいもや、とんかつのいもやの3軒である。いもやは神保町以外にも何軒か見かけたことがあるが、神保町以外のところにはあまり入った記憶はない。どのお店も白いのれんに「いもや」とシンプルに書かれていて、右上くらいにそれぞれ「天丼」「天ぷら」「とんかつ」と小さく書かれていたと思う。
一番多く行ったのが天丼のいもや。天丼(並)で500円、大盛が550円だけど、残さず食べたら50円返ってきた気がする。野菜中心で、海苔、鱚(きす)も入っていた。充分である。ちょっとお金に余裕があるときには、天ぷらのいもやに行く。天ぷらのいもやは、天丼に乗っかっているものが、銀の皿に乗せられ、大根おろしと天つゆで食べる天ぷら定食である。天丼のたれも美味しいけれど、この天つゆも美味しかった。この天ぷら定食は、確か650円〜700円くらいだったと思う。さらに余裕があるときは、とんかつのいもやに行く。キャベツに乗っかったとんかつとご飯とおみそ汁で800円か900円くらいだったと思う。とんかつはリーズナブルで美味しいのだけれど、やはり天ぷらの方が安く美味しい気がした。この3軒は、ほんと目と鼻の先くらいの距離にあった。3軒の中で空いているところに入るというようなこともあった。
あとは、少ししゃれた居酒屋の昼営業のランチを食べたこともあった。食事は主に、この人生劇場路地の近くで済ませることが多かった。この他に靖国通り北側には、洋菓子の伯水堂があったり、新世界菜館という高級中華があったりする。あまり近寄ることはなかったが。路地のどこかに、東京に来てはじめてあこがれのモーニングをした喫茶エリカもあった。南側に比べて路地が入り組んでいる感じで面白い。古本屋や山の道具のお店や謎の雑居ビルなどが建ち並ぶ感じである。北に進んでいくと、水道橋駅にたどりつく。
ちなみに、靖国通りを西に歩いていくと九段下にたどり着くのだが、首都高速の下に川が流れていて、そこを渡る橋が「俎橋」という。僕はこの俎橋から眺める川の景色がとても好きである。