青い沼に故意に穴が開けられて、
ビー玉やシーグラスが無造作に散らばる。
吸い込まれるようにじっとそれを見つめた。
穴はすでに開いてるのに、穴が開くほど見つめた。
ふらりふらりと2ステップ、草間弥生の作品には目がチカチカしてしまって、
青い沼の前に舞い戻る。
短い回廊をゆくおぼつかない足元は、ここを出ようよと私の上半身を連れ去る。
晴れた空に緑ともベージュとも言えぬ芝、終わりを告げる葉桜。
アルミニウムの塊に光が差すと、頬をかすめる虹の橋。
後ろから誰かが走り寄る。
なにやら独り言を言いながら、カシャカシャカシャと、スマホのシャッター音を撒き散らす。
帰ろう。