とても久しぶりの本編。
バイト先でもあり東京生活のメインの活動場所、御茶ノ水〜神保町にかけての想い出を綴りたいと思う。まずは御茶ノ水駅周辺。
2つ上の兄が先に東京に出ていたので、高校2年の時から御茶ノ水にある駿台予備校の夏期講習や春期講習に来ていた。なので御茶ノ水や神保町の町は東京の中でも1番長くにわたり、なじみの深いエリアである。僕が学生時代を過ごした90年代最後から2000年代の最初の頃と比べると、今ではお店の並びもずいぶんと変わっているのではないかと思う。
御茶ノ水の駅のホームは、道のある階層よりも下の階層にあって電車を降りてから階段を上がって改札口に出ることになる(それは今でも変わらない)。ホームのすぐ横には線路と平行して神田川(江戸城の濠)が流れている。総武線に乗って秋葉原に向かうときに、川沿いに並ぶ建物の様子を眺めるのが楽しい(ビリヤード場でゲームに興じる人などを見ることができる)。駅の出入口は『御茶ノ水橋口』と『聖橋口』がある。神保町方面に用事(本屋に行ったり、バイト先に行ったり)があることが多かったので、基本的には御茶ノ水橋口に出ることが多かった。
御茶ノ水橋口と聖橋口の間の通りの駅側には小さいお店が並んでいる。『喫茶 穂高』や『キッチンカロリー』『レモン画翠』『ディスクユニオン』の他、立ち食いの寿司屋(まあまあ安い)や中華屋(それなりに美味しかった)、とんこつラーメン屋(替え玉無料券がお店の前に置いてある)があった。『キッチンカロリー』は、東京で最初の頃に入ったお店のひとつである。お店のつくりがとてもコンパクトにできていて、「桐生市のお店の雰囲気とかなり違うなぁ」と思ったことを記憶している。ようするに狭い店内をうまい具合に使っている。
通りの反対側には、聖橋口改札を出たところに『丸善』がある。ここの『丸善』の本の量は、神保町の大型の『三省堂』などに比べると少ないので、あまり利用することはなかった気がする。時々店の外でワゴンセールをやっていて安くなった洋書などを物色する。
他には、最初かなり背伸びをして入った憶えのある『プロント』(よくバイト仲間と行った)、そして今はもう日本になくなってしまった『ダンキンドーナツ』があった(撤退後に『吉野家』になった)。ドーナツの美味しさで言えば、もちろん『ミスタードーナツ』の方が美味しかったが、ロゴを含め『ダンキンドーナツ』にはなんとも言えない魅力があり、時々お店に入りドーナツを食べていた。ドーナツに振りかかっているストロベリー風のピンクのチョコのジャンキーな感じとか懐かしい。店内にポスターが貼ってあって、「今日も素敵なドーナツな時間を…」とかなんとか書かれていたと思う。「ドーナツな時間ってなんだ」と思った気がする。『プロント』の裏のあたりの路地の中には『ミロ』というとても素敵な喫茶店がある。何年か前にお店を閉めたというニュースをみた気がしたのだが、調べてみたらまだやっていた。今度再訪してみたい。
御茶ノ水口を出て水道橋の方に行くと、『洋麺屋 五右衛門』がある(今もあるみたい)。ここも最初の頃に兄と行ったお店のひとつである。オープンキッチンというのをこの店ではじめて見たと記憶している。さらに進むと『すずめのおやど』という元気のよい居酒屋チェーンがあり、時々バイト仲間の飲み会で行った。さらに進むと『アテネ・フランセ』があるのだが、行ってみたいと思いながら結局まだ一度も足を踏み入れていない。
そして、僕が初めてその存在を知った『スターバックス』もこのあたりにある。バイトの先輩のKさんが、興奮した様子で「すごくおしゃれな喫茶店(まだ当時はカフェという言い方はあまりしなかった)ができたよ!」とロゴ入りの紙ナプキンを大量にもらって休憩から戻ってきたのを憶えている。そんな話を聞いていたけれど、結局この『スターバックス』にも一度も行っていない。
魅力的なお店もたくさんあったが、お店に行かなくてもこのあたりをぶらぶら散歩するのが好きだった。ニコライ堂をみたり、聖橋や御茶ノ水橋から眺める川のある風景も、東京の中で好きな風景のひとつだ。特に御茶ノ水橋の上から聖橋方面を見て、川や線路や電車が写る写真をよく撮っていた気がしたのだが、現像された写真は1枚も見つからない(デジカメで撮った写真があった)。
神保町に向けて歩き出す予定だったのだが、御茶ノ水駅周辺だけで意外と想い出があった。次回は神保町方面に行きたい。
おまけ:御茶ノ水から駒込/上中里に帰るのには、秋葉原駅で乗り換えを行う。大学1年の夏の終わり、バイト帰りの秋葉原駅のホームで電車を待っていたときに、ダイアナ妃が亡くなったニュースを知った。なので僕の中では秋葉原駅に行くとダイアナ妃のことを思い出す。