Column
小さな村 4
前を歩く山羊のおしりからぽろぽろと黒い小さな球体がこぼれ落ちる。山羊が歩きながら糞をするので、その丸い物体をかわしながら、あとについて歩いた。
前を歩く山羊のおしりからぽろぽろと黒い小さな球体がこぼれ落ちる。山羊が歩きながら糞をするので、その丸い物体をかわしながら、あとについて歩いた。
「かわいいでしょ」私は背後からの突然の声に、びくっと肩が動き、少し遅れて心臓の鼓動が速くなっていくのに気が付いた。
あたりは相変わらず眩しく、顔を前に向けて歩くことができない。少しの間、斜め下を見ながら目に見えない糸に惹かれるようにゆっくりと歩を進めた。
不思議な光景である。光に満ち、気持ちの良い風が通り抜け、動植物が生き生きとしている。私は、北関東のとある地にたどり着いた。